遠見(とおみ)のれい

 近ごろの話です。
 海老瀬(えびせ)の人が遠見岳の近くを歩いていると、肩に何かが乗っかかっているようで、重(おも)とうして重とうしてどうしょうもありませんでした。これは親たちから聞いていた供養(くよう)してもらえず成仏(じょうぶつ)できない人たちが、霊(れい)になってでてきたと思い家に帰り、お経(きょう)をあげると、その重さは、うそのように消えたそうです。でもこの遠見の霊は他に悪いことはしませんでした。何かそなえものをあげれば良かったのです。とにかく、「供養はちゃんとせんばつまらん」とのことでした。
(おはなし 時津 教實、時津トシヱ)




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