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栗ノ浦(くりのうら)の
お地蔵(じぞう)さん

  さて、小川家の6代目伝三(でんさぶ)じいさんの事です。
 麦もとぶような風の強い昭和20年6月6日に伝三じいさんは魚釣りに行きました。
 ところが竜巻(たつまき)に会って舟がひっくり返(かえ)り、とうとうそうなんしてしまいました。
 里の金(こん)ぴらさんや深堀のおとめさんという神さんにおがんでもらいましたが、伝三じいさんは見つかりませんでした。知り合いが「長崎によか神さんがいる。」というので、祈(き)とう料が当時の10円で高かったのですが頼みに行くことになりました。
 それは新興善(しんこうぜん)町に住んでいる神さんでした。神さんは、2階の8畳(じょう)位のところでおがんでいましたが、急に庭におりてきて、井戸のつるべから水で体を清めはじめました。それから少し祈(き)とうしたあと、おつげがあって「今から17日か18日のうちに、野母と高浜の間にじいさんが上がらんば一生あがらん。」と言われました。
 それから村長(鳥巣末作氏)さんたち、村の人たちが手配(てはい)してくれた舟で捜(さが)しましたが、見つかりませんでした。



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