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遠能神(とおのす)さん

 21日たったある夕方のことです。
 行者は突然(とつぜん)ほこらから出てきて長濱(ながはま)の辻々に「ごへい」(神さまにそなえる細長い紙をくしにはさんだもの)をあげ回(まわ)り、やがて全部の辻にごへいをさし終(お)えると、スーッと暗やみの中へと消えていきました。
 その頃、あいかわらず他の部落では、病にかかり人々が死んでいきました。
 しかし、ふしぎなことに長濱の人は、この病にかかりはしましたが、1人も死んだ人はいなかったそうです。人々はそのことが、あの白いヒゲをはやした行者が、21日間お経をあげ、辻々にごへいをあげたおかげと知りました。




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