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どうはっせん(らっかせい)が
ほしかったキツネ

 おじいさんは、「アッ!さーき鳴きよったキツネのしわざばい。」と思いながら、そのまま歩いて行きました。すると畑の近くを通った時、うす暗(ぐら)い大きな木の根元(ねもと)にキツネがニワトリをくわえながらかくれているのを見(み)つけました。おじいさんは大きな声で、「コラッ!ニワトリば返(かえ)さんか。返さんやったら木のあなん中に、こしょうばあぶるぞ。」と言いました。キツネは「じいちゃんちょっと待ってくれんね。どうはっせんのほしかったとさ。このニワトリば返すけん、どうはっせんばくれんね。」と言いました。そこでおじいさんは、「ウン、そんなら、どうはっせんばやるけん。」と言って、キツネの両手(りょうて)に持てるだけのどうはっせんをあげました。キツネが両手を出したそのすきをねらってニワトリは、とぶように「じいちゃん、ありがとう。」と言ってにげていきました。
 あくる日、ニワトリはちゃんと若者のニワトリ小屋に帰っていたそうです。
(おはなし 寺濱シゲイ、中尾スエ、松下コミ、山本スエ、山本ミヨコ)



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