女の地蔵(じぞう)ごもり

  昔から1月24日には、各地区で地蔵まつりが行われました。この日が年はじめの部落の組の顔合わせでもあり、女ばかりが寄ってきたので、女の地蔵ごもりともいわれました。
 今のように、洗濯機(せんたくき)や電気釜(でんきがま)などがなく、女は1年中井戸からの水をくみ、畑仕事などで暇(ひま)がなく、特に年末年始は忙しく立ち働いたので地蔵さんが「ご苦労さん」という意味で、この日は1日、家の仕事は一切しなくても許されました。
 地蔵さんに新しく作った前かけを飾り、各々(おのおの)が家から持ち寄ったおなますやおにしめなどをお供(そな)えし、そのあとみんなでごちそうを食べ、1日ゆっくりしゃべるのです。組によっては、仮装行列(かそうぎょうれつ)のまねごとなどをして遊(あそ)んだそうです。
(おはなし 大井 誠、坂井政義、坂井イチヨ、島田トミ、寺下マサヨ、寺濱ツヤ子、
時津スエコ、徳永九州男、徳永タツエ、船場慶一郎、松村ヨリエ、山崎廣樹)



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