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栗ノ浦(くりのうら)の
お地蔵(じぞう)さん

  ある日、明さんと弟が捜しに行きましたが2人とも嵐に会い、舟がひっくり返(かえ)ってしまいました。警防団(けいぼうだん)のチャッカー舟もきてくれましたが、2人を見つけ出すことはできず、そのあと助けてくれたのが、高浜の本村(もとむら)さんという人でした。場所は高浜のふるさとという所でした。
 ところがこの本村さんが、長崎の神さんがおつげをした18日目に同じ高浜の古里というところで、伝三じいさんが海に浮いているのを見つけてくれたのです。この古里という地名(ちめい)は、前出の歌にあった「わがふるさとの」という「ふるさと」と同じで、地蔵さんが助けてくれたと思いました。
 伝三じいさんの死体があがった6月24日は、地蔵さんの大祭の日でした。伝三じいさんは腹は水を飲んでパンパンでしたが、顔に傷ひとつなかったのがせめてものなぐさめでした。
(おはなし 小川 和代、小川 幸子、小川タツヨ、小川 芳子、時津八重子)



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