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オランダ船を引き揚(あ)げた
喜右衛門(きえもん)さん

 この高い波と風雨の中、スチュアート船長はこれは大変なことになったと、ウスノフという水夫に「このままでは大事な荷物(にもつ)と水夫たちの命があぶない。出島に行って助けをよんできてくれ!」と命じました。
 ウスノフはもうこれで自分は死ぬかもしれないと思いましたが、「ハイ!」と命令(めいれい)をうけ、ボートをおろし、必死(ひっし)に出島をめざし、こぎ出しました。
 そして命からがら出島にたどりつき、スチュアート船長の命令を伝えたのです。
 一方、エリザ号は風向きがかわり、とうとう高鉾島脇の唐人ヶ瀬にのりあげたまま大きくかたむきそうになったので、スチュアート船長はしかたなく3本のマストを切りたおしました。
 そして水夫たち全員で滝のように流れこむ海水をくみあげました。
 しかし船はしずむばかりです。



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