つぎへ



こもりじぞう

 むかしむかし、馬手ヶ浦(まてがうら)の部落に住む1人のおばあさんが、浜辺(はまべ)を歩いていると、ピカッとひかる箱が、浜にうちあげられているのを見(み)つけました。
 「何と美しい箱じゃ、いったいぜんたいどっから流れてきたとやろか。中になんのはいっとっとやろか。」と言って、砂を落(お)としながら箱をあけると、その中には、唐(とう)の絹(きぬ)(今の中国で作られた絹)につつまれた、すいか位のものがはいっていました。
 その唐の絹を開いてみると、眠ったような、みどり子(赤んぼう)のなきがらがはいっていました。おばあさんはりっぱな箱やすばらしい唐の絹から、
 「こん子はえらか家の生まれの子にちがいなか。もしかしたら唐(今の中国)の国から潮(しお)に流されてきたとかもしれん。なんかわけのあって、親ごさんは海に流したとやろう。」と言って、箱ごと家に持って帰りました。
 そしておばあさんの先祖(せんぞ)の墓(はか)にとむらいました。



馬手ヶ浦トップページへ