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こもりじぞう

  しばらくたったある夜のこと、おばあさんは夢を見ました。それは枕(まくら)もとに、かわいい子どもが、そっと立っている夢でした。
 よく見ると、その子は、おばあさんが海でひろったあのみどり子に顔がソックリです。そしてその子は少しさびしげに、しかしハッキリと、
 「おばあちゃん、お願いがあります。わたしをおばあちゃんのお墓から取り出してください。そしてお地蔵(じぞう)さんとしてまつってくれませんか。」と言うのです。
 おばあさんはビックリしましたが、これも何かの縁(えん)だろうと思い、
 「よかよか、かわいかお地蔵さんば作ってやるけん、安心して天国のお星さまにならんね。」と言いました。その子は、
 「ありがとう、おばあちゃん。このお礼(れい)にここの馬手ヶ浦の子どもたちが元気で育つよう、天国からお守りしましょう。」と言ってスーと消えてしまいました。



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