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おん(鬼《おに》)の骨(ほね)

 香焼でもあちこちで「鬼火」がたかれました。
 浦(うら)では1月7日、今の浦の公民館の近くで、「鬼の骨」の大たきびがなされました。
 まず、部落のがき大将(だいしょう)が、家来(けらい)の子どもたちに命令(めいれい)をして、山へ「ぼうぼうしば」や「松の葉」「竹」など煙(けむり)を出してはじけるたきものを、取りに行かせました。
 竹などをゾロゾロひっぱって歩く姿(すがた)は、子ども心に楽しかったものです。
 この時ばかりは、山から木をかっぱらってきても、大人たちはおこりませんでした。
 部落の人それぞれが、家から正月に使ったしめ縄(なわ)などを持ってきて火にくべたり、子どもたちが、竹などはじけるたびに、大きな声で「おんのーホネ」と叫(さけ)び、残り火でイモやモチを焼いたり、おばあさんたちは、一年中、風邪(かぜ)を引かないように着物(きもの)をはしょって、おしりをあぶったりしました。
 オキ(まきなどのもえたもの)を家に持って帰り、いろりでモチなどを焼いて食べたりしました。
 このモチを食べると、その年は病気をしないという言い伝えがありました。
(おはなし 大井 誠、坂井政義、坂井イチヨ、島田トミ、寺下マサヨ、寺濱ツヤ子、
時津スエコ、徳永九州男、徳永タツエ、船場慶一郎、松村ヨリエ、山崎廣樹)



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