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オランダ船を引き揚(あ)げた
喜右衛門(きえもん)さん

 困(こま)りはてた長崎奉行所は、役人をわざわざ村井屋喜右衛門のところに出むかせて船の引き揚げを頼(たの)みました。
 年も明けて寛政(かんせい)11年、1月4日に奉行所より呼び出しがあり正式に許可がでました。
 しずんだ船に、まず太い綱(つな)をかけ、しっかりと結(むす)ぶ作業から始めました。
6本の大きな綱をオランダ人から借り、船の中の数ヶ所の梁(はり)にまきつけ、その綱に滑車(かっしゃ)を仕掛(しか)けたのです。
 季節は寒さきびしい1月です。作業にとりかかっている人たちは、
「オーイ気をつけろ」と声をかけ合い励(はげ)まし合いながら基礎(きそ)の仕事を続けました。
 喜右衛門も自分の人生の中で、一番大事な仕事になるのではと一生懸命(いっしょうけんめい)でした。



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